#12 バンドの覚悟とわたし
2017年12月17日。
知る権利という郡山のバンドの、ひとつの時代が終わった。
ツアーファイナル、現体制ラストライブ、いろんな名前を持つ日だった。その日には知らされていなかったけれど、知る権利というバンドの終わりの日でもあった。
いつも通り、いつものように終わった。
2018年1月6日。
知る権利 改め TENDER TEMPER の初ライブ。「変わらないために変わり続ける」なんて言うけれど、その言葉を表すためにあるような30分だった。それと同時に、彼らは「変わり続けるために変わらない」選択をしたようにも思えた。
“いちばん上手い知る権利のコピーバンド”とふざけて言ったあとに「ニセモノになりたくない」とベースボーカル萬屋さんは言ったが、その言葉には覚悟の色しか無かった。
“today is the day 今日がはじまり”という歌詞は、はじまりの日の1曲目にぴったりだった。そして、最後の曲のタイトルは『エンドロールは流れない』。この凝っているものの自然な流れがとっても彼ららしくてニヤっとしてしまった。
はじまりの今日、彼らの覚悟。大切な日を見届けることが出来てよかった。TENDER TEMPERというバンドが、この時代に爪痕を遺すその日まで、わたしは見届けていく覚悟を決めた。
2年前に初めて観たときに響かなかった、とかそんなのはどうでもいい、わたしが今このバンドに心を打たれていること、大好きだと胸を張って言えること、その気持ちを大切にしていくことがすべてだ。
知る権利としての最後のチケット。